2009年3月29日日曜日

お不動さま直売所(下郷町大松川、甲子峠)

■2009年3月8日(日)曇り。

 福島県南会津郡下郷町大松川の「お不動さま」をたずねた。

 大きなカツラ(桂)の樹木、、、樹齢350年とも言われる、、、、から大量の湧水が出ている。そこに不動堂が立っている。不動桂(ふどう・かつら)。

 雑誌『会津学』5号(今年の8月発刊予定)のための取材に一人ででかけ、「お不動さま直売所」を運営する人々6名の方々の話をうかがった。4月下旬から再開する予定、だという。ものを売る哲学をきちんと持っている人たちが、この地域で作った農産物を仮設テントで販売する小さな直売所が開店したのは昨年9月21日、甲子道路開通の日からだ。11月中旬で休店し、雪融け後にまた開店する。

 大松川に暮らす人が、「ここでみんなが作ったものを売る」「間違いのないものを売る」「ここでとれたもの」「仕入れはしない」、、、、、という、みなで話し合って決めた「お不動さま直売所」のきまり(規約、憲法)がある。歳をとっても、野菜作りを続けられる、元気でいるための直売所だ。

 

 →→→ 2008年10月13日

 →→→ 11月16日

 →→→ FTVサタふく 2008年10月11日

■滝にはよく不動明王が祀られる。巨木の桂の根もとから湧く水により縄文時代(晩期)から人々はここに暮らす。昨年10月にはじめてたずねた直売所の名前にひかれた。

 「お不動さま」を祀り、この湧水をまもり暮らす人々が、直売所をなぜ「お不動さま」と命名したのだろうか?そこに人々の未来への願いがあると思う。

 桂(かつら)は、その葉で抹香を作ると、2007年に月田農園で教わった。こんどの桂は、「不動桂」で水をまもる人々を護る。人々はこの水でいまも暮らしている。

2009年3月22日日曜日

こども聞き書き記事掲載




■3月21日の催事が、22日の新聞に掲載。福島民友3面、毎日新聞福島欄。奥会津こども聞き書き百選。読売、朝日も取材に来られていた、とのこと後日掲載されるでしょうか。

 とても良い本ができました。

 孫により聞き書きがまとめられ、本に掲載されたお年寄りの家族から今日、「ひいじいちゃん、じいちゃんのことが世に出てよかった」と涙。

こども聞き書き報告会




世界の秘密にふれる

■2009年3月21日(土)午前10時~11時40分。晴れ。雪融けの晴れた日は、ほんとうに春らしい。雪に囲まれた日々がもうすぐ終わる。福島県南西部にある奥会津・三島町で、「こども聞き書き報告会」がはじめて開かれた。60余名が集まった。

 只見川電源流域振興協議会の事務局が4月1日から三島町役場に移転する。それまで只見町役場に置かれていた。新会長は三島町長の齋藤茂樹さんに。

 今回の報告会も、齋藤茂樹さんが挨拶され、聞き書きに応募され、来場された小学生・中学生・高校生に一人一人に和綴じ製本されたそれぞれの応募作・写真を返却し記念品とともに、出版された本を手渡した。

 三島小学校の5年生の酒井康太さんが、「ひいおじいちゃん、そしておじいちゃん」というまとめた聞き書きを朗読した。

 赤坂憲雄さんが、この事業の目的や聞き書きの意味について短い話をされた。そのなかで、「聞き書きは、世界の秘密にふれること」ということをわかりやすく語った。おじいちゃんやおばあちゃんがいなければ、今の私たち、君たちはいなかった、、、、

 113編の応募作のすべてに2名づつ感想を書いた「鈴木克彦さん、菅敬浩さん、長瀬谷百合子さん、渡部和さん、渡部紀子さん」も、それぞれに感想を参加者に伝えた。

 最後に、昭和村・なかよしバンド(佐藤孝雄+菅家博昭)が自作曲4曲を演奏した。「小さな村」「ふるさと5月」「たいせつなもの」「冬来たりなば春遠からじ」「また会う日」(アンコール・ラマ佐藤衆作)

 →→→ 佐藤孝雄のブログ

■3月22日の福島民友新聞3面に掲載されました。

2009年3月20日金曜日

■3月21日 奥会津こども聞き書き100選

■2009年3月21日(土)午前10時~ 福島県大沼郡三島町名入 「山びこ」(生活工芸館向かい)にて、昨年夏に募集した「奥会津こども聞き書き100選」の報告会が開催されます。報告書の出版、赤坂憲雄さんとの懇談、11時からなかよしバンド(昭和村、佐藤孝雄+菅家博昭)のアコースティック・コンサート。入場無料でどなたでも参加できます。

■5月下旬、鹿児島県沖永良部島での集まりに会津から参加する予定で協議をしています。参加は奥会津書房まで照会ください。

 えらぶ郷土研究会・会津学研究会・鹿児島民俗学会 合同研究会

 2009年5月下旬 午後2時~6時(日時協議中)
 場所・鹿児島県 沖永良部島。和泊町手々知名 長浜館

■

2009年1月17日土曜日

聞き書き

宮崎県日之影町大瀬







■2009年1月13日(火)宮崎県のホテルルートイン延岡駅前の810号室より。

 1月12日(月)は朝3時から6時まで大田市場の花の入荷調査をし、羽田空港へ。市場内にあるホテルコムズのバスで第2ターミナルビル(ANA)、チェックインし8時5分発機に搭乗し大分空港へ。10時着。

 九州は雪で、大分県内の高速道は通行止め。

 一般道で大分市まで、そこより高速道で佐伯市まで、あとは国道10号線で宮崎県延岡市。そこから五ヶ瀬川沿いの国道218号神話街道を日之影町・高千穂町まで。大分空港からレンタカーを借りて200km、約4時間かかった。

 14時、道の駅星雲橋で西森氏の車に同乗し、管内の花き生産農家を数軒視察しました。雪。

 19時30分に高千穂町を出て、延岡市まで戻り21時に宿にチェックインしました。

 太平洋に面した延岡市から源流の高千穂までは50kmあり、会津若松市から昭和村の距離と同じです。

■この日にたずねた宮崎県日之影町大字岩井川の大瀬地区でラナンキュラス栽培に取り組む中川和信さん(昭和29年生まれ)に聞くと、山林での労働が基本であった時代が長く、照葉樹林を伐採し木炭生産やシイタケ生産を行い、その山の斜面に杉や檜を植えた。山林は個人で50町歩(ha)、共有で65町歩ほどあるという。昭和56年に結婚し、58年頃からキク(大菊)、ホオズキなどを栽培しはじめ、それが園芸への取り組みのはじまりだった、という。平成13年頃にラナンキュラスの栽培に取り組み、9年目になる。当初5名ほどで県内の綾園芸の品種ではじめ、現在はJA高千穂地区(高千穂町・日之影町・五ヶ瀬町の3町)で27名。長野県のフラワースピリットと技術提携している。

 時間をかけ急傾斜地をたくみに石積みして段をつくり耕し、家を構えている。耕して天に至る、という風景は、広くアジアに共通する土地利用のしかたです。

2008年12月25日木曜日

1枚の写真で家族の歴史を継承する

■2008年12月25日(木)18時30分、福島県内のNHKテレビが放映しました。






■東北文化研究センター誌『まんだら』2009年への原稿

 会津学研究会 菅家博昭

 二〇〇八年の秋は、アメリカ合衆国発の地殻変動が世界を覆うことになり、記録に残る年になった。九月一五日には証券会社リーマン・ブラザーズが破綻し、世界同時不況が広がっていく。一方では新たに黒人初のオバマ次期大統領が選出された。
 日本では自動車会社、電機会社が千人単位の労働者の削減を発表、実施し、殺伐とした年末を迎えている。
 私の暮らす奥会津・昭和村大岐という標高七三〇メートルの集落では、地球を覆う国際経済とは反対に、いつもと同じ、平年並みの順調な降雪となっている。ブナが落葉した十月三十日に一四八二メートルの博士山頂に初雪、十一月八日に二回目の雪。十一月九日に集落に三十センチの降雪で、家業の花の生産はすべてを終了とした。十二月六日に二十センチ、十四日に五センチ、、、、と根雪となっていく。
 そんな雪が降るなか、奥会津地方の小中学生・高校生の聞き書きがまとめられた手書きの原稿用紙を、私は、毎日、繰り返し、読んでいる。

 八十七歳の祖母から話を聞いてまとめた中学二年の男子M君は「大切なもの」という題でこんなことを書いている。
 「『昔は学校で勉強なんてできなかったんだぞ。家の手伝いがいそがしくてなあ。豆腐作りを手伝ったり、、、、これだけは言うぞ、何でも自分でやることが大切だぞ。悪いことは絶対にするでねえぞ、、、、』ばあちゃんが泣きながら、しゃべっているのをみて、つらいことや、楽しいことなど、いろいろのりこえてきたんだなあ、と思いました。昔のことがしれて良かったです。ぼくが今ここにいるのもばあちゃんのおかげなので、ばあちゃんには感謝したいです。
 この夏、会津学研究会の拠点である奥会津書房が関わりながら、「奥会津・こどもの聞き書き百選~一枚の写真から」に、六町村から小学校四、中学校五、高校二から、計百十七点の応募があった。只見川電源流域振興協議会(会長・只見町長)が主催、奥会津の生活史を掘り起こし、後世に継承していくのが目的で、新しくはじめられたものである。
 奥会津書房はこれまで子どもたちの聞き書き集や、高校生の聞き書き講座などにも関わっており、その一部を雑誌『会津学』に掲載してきた経緯がある。また、ゆとりの時間のいわゆる課外授業は地域文化を継承する意味でとても重要な役割を果たしてきた。たとえば昭和村の小学校では苧麻(からむし)生産・制作の現場に小学生が出向き、古老たちから聞き書きをしてまとめた記録を壁新聞にし、自らも糸作り、小さな布作りを教わりながらそれを展示している。継承とは、老人と子どもが直接会話することが大切であり、家庭内でそのことを奨めることが聞き書きは手段のひとつになっている。
 

2008年11月25日火曜日

2008年9月19日金曜日

水車小屋事件

■→→→水車小屋事件 9月17日 南会津町

丈夫な草なんだ。作ったものが長持ちする。




■福島県南会津町今泉に会津鉄道山村道場駅がある。国道でいえば栃木県境の山王峠に向かい、会津田島の河川(大川)の平地がちょうど終わる付近で、ここに奥会津地方歴史民俗資料館があり、茅葺き民家が移築・保存・活用されている。隣接し、うさぎの森キャンプ場や会津山村道場がある。

 2008年9月17日(水)首都・東京の花の卸市場での打ち合わせの帰り道に、この資料館をたずねると、ちょうど湿地植物のガマ(蒲)の葉干し作業が行われていた(写真)。草履などの手仕事用に採取し乾燥しているのだ、ということだった。

 昨年春に会津学研究会の春季講座が只見町で開催されたとき、南会津町田島の渡部康人さんが参加された。今回は奥会津地方歴史民俗資料館に渡部康人さんを訪ね、話をうかがった。

 ちょうど、朝の開館を前に、移築民家ではいろりに薪が焚かれ、掃き掃除が行われ、水車小屋のなか等にガマの葉干し作業がはじまっていた。この立地地域の今泉のTさんという古老も手仕事を民家内で行っており、体験の先生として活躍されており、康人さんに紹介していただいた。ヒロロのことを聞くと、つぎのように返答があった。

「ヒロロも使うけれど、俺はシバクサを多く使った。シバクサの方が強くてミノ(雨蓑)に作っても3年も5年も持つからな。二百十日を過ぎると引き抜くんだが、葉の縁にとげがありそれで手を切るから軍手など手袋をかけて引き抜く。だいたい二カ所に採取場所があるけど、山奥だよ。シバクサはヒロロより作ったものが長持ちするからいいんだ」

■シバクサについて調査中、イワシバと同義かどうかも調査中。