2011年7月9日土曜日

奥会津大学2年次はじまる

■昨年に引き続き、電源流域振興協議会(運営事務局・昭和村NPO苧麻倶楽部)の「奥会津大学第2期」は2011年6月30日に開講した。7月6日に奥会津書房の遠藤由美子編集長が「聞き書き」について講座を担当した。7月20日は只見町で新国勇さんが自然について。7月28日は昭和村下中津川の昭和村公民館を会場に、下中津川の散策(午前10~)、講座(午後2時~5時)「地域遺産の調べ方」について菅家博昭が担当します。単回の参加者は500円です。

■昨年からはじまった奥会津大学は、自ら暮らす聚落の生活文化・歴史・民俗を、地域の先達に学び、調査しながら、空間としての地域像を再認識することに目的がある。それは専門性を持ち狭い専門分野による調査ではなく、これまで調査された結果を含み全体性を回復する試みになっている。昨年は講座(座学)だけであったが、昨年の30名余の受講者らによる野外踏査の要望が強いことから本年は野外踏査(フィールドワーク)と座学を1日に組み込んで実施する試行が行われる。
私はそれに先立つ現地調査を春から開始し、古老への聞き取りや文献調査により、新しい知見が次々と出て来ている。聚落ごとの歴史を掘り起こすことは沖縄県内の地域公民館が『字誌(あざし)』をまとめる作業をしてきたことがよく知られている。地元学、地域学、、、等、地域にある歴史遺産だけではなく生活文化そのものの価値の再発見につながるような学びの場が広がってきている。

■会津学研究会では、2011年は、月例会を三島町西方の西隆寺で行っている。311震災および原発公害による地域社会の崩壊は被災地とその周縁に影響が及んでいる。参加者がどのように現状に向き合っているのかをまず語り合い、例会の内容に進む。昨年、縁があり隣県栃木県の日光学(日光市中央公民館)の受講者であるFさんと知り合い、6月に訪問しお話をうかがった。栃木県内の水稲を栽培しない地域で、ムギやアサ、スギによる生業が行われていた地域で南東北の代参講が多い古峰ヶ原に近い聚落であった。冬期間、南会津の茅出(屋根葺き職人)が来る、夏のアサの収穫時期には製繊に必要な「カナゴ(アサ挽き道具)」や「イタ」売りの商人が来た、といい、会津との結びつきの強い地域であった。
また6月の「おあたごさま(愛宕神社)」祭礼にかかわる事例から、奥会津の聚落には必ず存在する「おあたごさま」と中世後期の城館柵等の関連について、地名呼称等からの調査技法の開発を試みている。
東北芸術工科大学の『まんだら』で連載がはじまった「古文書解読四〇五号室」は、地域にある文書の解読のためにとても参考になり、今後は例会内でもこれをテキストにした学習をはじめる予定である。

■7月6日、午前9時~午後5時、昭和村内の石仏現況調査に随行しました。昨年、小野川地区のゴンゲンサマの観音石像が1基、盗難にあったためです。

■7月10日(日)福島県喜多方市山都町相川で農産物直売所開店のイベントがあります。→ ひぐらし農園(午前10時より上堰散策等)

■奥会津の山ノ内氏 → 会津四家合全