2007年11月30日金曜日

香の樹(こうのき)物語





■2007年11月29日(木)、初冬の南会津町の月田農園に禮次郎さんを訪ねました。都内の大田花きという卸市場の花の生活研究所長銅金裕司さん、宍戸純さんの来県調査に随行するかたちで、旧南郷村の山口の台、板橋地区の調査をしました。このフィールドは、今年3度目です。

■板橋地区で訪問したSさん宅でも、かつて使用していた「香箱(こうばこ)」を見せていただき、まつわる話をうかがいました。大正五年生まれのおばあさん(九十歳)からも話を聞きました。

 昔から板橋地区には墓地に大きな株立ち(株から何本も幹が出る)の「こうのき」があった。その「こうのき」で、こどものころ、よく遊んだ。この樹はカツラのオスの樹で、春の芽吹きが赤い葉で紅葉になる。この葉を初夏、梅雨明けに取って半日で乾燥させ、ウスでついて、粉末として香(こう、抹香)とした。

 その樹は墓地とともに、いまから三十数年前の道路拡張工事で墓地は移転、樹木は伐採された。いまなら道路が迂回したと思う。そのコウノキは、皆の記憶のなかに生きている。香の葉をつかった線香を焚くのは、禮次郎くらいだろう。

■月田禮次郎さんの家の山際の北側にある台地区の墓地にもコウノキは株立ちで一株ある。それはメスの樹で種子をつける、という。その樹木のある墓地に案内してもらいました。オス、メス両種とも葉を使用するそうです。


■銅金裕司氏による動画のまとめ→→→ロングテールネイチャー(香時計)
■関連記事 →→→ 9月22日

2007年11月15日木曜日

なしのきほや(やどりぎ)


■2007年11月14日午前8時30分、都内の卸売市場・大田花きの商品開発室長宍戸氏、花の生活研究所に銅金所長を訪問し、懇談しました。11月30日に関東圏で放映されるNHKテレビの収録が10時から大田花きで行われ、そのヤドリギを昭和花き研究会から今回、提供しました。担当の三浦彩さんによるとヤドリギは1300種類が世界に存在する、ということでした。宍戸氏はヤドリギ栽培をしてクリスマス前の12月に「ヤドリギ市」をするのが夢だ、と語っていました。

帰宅して、猟師の父に聞くと、ヤドリギには薬効があり、また樹種による寄生種が異なり、利用する鳥類・動物層が異なるのだ、ということです。ヤドリギの実は、多くは小鳥類の厳冬期の餌になるのですが、昭和村ではヤドリギは「ホヤ」と呼びます。形状から穂矢(ほや)、あるいはランプなどを包むガラスをホヤといいますから、ゲル状の実の質感か、なにかを示す表現だと思います。

いちばんよいのは梨の木につくヤドリギ(宿り木)で、「ナシノキホヤ」だ、といいます。この実を煎じて飲むと蓄膿症が治ると大岐の菅家勝四郎氏(故人)は言っていた、と母は言っています。「ナシノキホヤ」がいちばん上等なヤドリギで、ヤマドリが集まるそうです。そして「ナシノキホヤ」を使ったワナには野ウサギがよくかかり、野ウサギの好物だ、とういことです。

そして栗の木に着くヤドリギが次いで上等だ、といいます。「クリノキホヤ」と言います。

ブナやミズナラ、コナラ類にも付き、樹種による寄生種で実の色調も異なります。

宍戸氏によればヤドリギの1節伸びるのに1年かかっている、ということです。

予定として15日~17日も上京します。

■12月9日午前8時から25分間の予定で東北地方のNHK総合テレビ「幸せのカタチ」で菅家が紹介される予定です(10月の取材)。

2007年11月4日日曜日

木曜講座



■2007年11月1日(木)13時30分から、会津若松市内の福島県立博物館で木曜講座が開催されました。