2007年9月28日金曜日

9月22日(土)月田農園① コウバコ・ホクチダケ

■2007年9月22日(土)午前。南会津郡山口・月田農園。月田礼次郎さん・洋子さん。ひめさゆり(ヒメサユリ)、カラー、オウレン、ホタルブクロ、ホトトギス、オヤマボクチ、リシマキア・ブルガリス(クサリダマ)、シュウメイギク(ダイアナ)、ビバーナム、オカトラノオ。






空中写真は国土画像観覧システム(昭和51年)より

■一九八五年八月清掃 茂 七十二歳。月田農園を見守るホオノキ。



■2007年9月22日午前。南会津町山口にて。(旧・南郷村山口 台)月田礼次郎氏宅。

■コウバコ。コウノキ(香の木・カツラ、桂)。コオッパ(香の葉)。ホクチダケ(シロカイメンダケ)。ヘエカキ(灰掻き)。7月の暑い日に朝採ったコオッパを一日で乾かし、臼で搗(つ)いて粉にする。キササゲの葉でやったこともあるが、一日で乾かない。ホクチダケは山で拾ってきて家の中にひもをとおして掛けてあった(乾燥)。胞子嚢(キノコの下面のヒダ)が落ちたぐらいがよい。

 →→→初出9月23日 手順写真掲載


2007年9月9日日曜日

沼沢火山と縄文時代



■2007年9月9日(日)午後2時から1時間、会津・金山町中川にある町営こぶし館併設の民俗資料室で、金山町中央公民館主催による「ふるさと考古学教室」の講師をつとめました。

 かねやまキッズクラブ・横田わんぱく教室(それぞれに金山小学校・横田小学校)の合同開催。

■1982年から3カ年ほど、同町中川の石神平遺跡(縄文時代中期・後期)の発掘調査・遺物整理にかかわっていて、その出土品が展示されており、また中川の宮崎遺跡(弥生時代の再葬墓)の出土品も展示されているので、そのないようを中心に、実際に町が保管する資料をみじかに見てもらい、考えてもらう構成にしました。

■石器(せっき・いしでつくったどうぐ)
土器(どき・つちをつかいやいてつくったいれもの)
住居跡(じゅうきょし・いえのあと)
遺物(いぶつ・のこされたもの)
遺構(いこう・じめんにのこされたあと)
遺跡(いせき・いぶつやいこう)
土器の形式(どきのけいしき)で年代(ねんだい)をしらべる
石器のざいりょうも、とおくからきているものがある→こくようせき(黒曜石)
炭素14年代法 5730年で半減
空気中の炭素が植物に固定、約4万年前まで調査できる


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まほろん 福島県文化財センター白河館http://www.mahoron.fks.ed.jp/
●文化財データベースの金山町の縄文時代の遺跡
 遺跡名 地区 標高
石神平遺跡 中川 470m 1982年~84年 発掘調査
惣山遺跡 太郎布 570m
大栗山遺跡 大栗山430m
芋窪遺跡 西谷 420m
荒新田遺跡 西谷 390m
上中井遺跡 玉梨 390m
石神平遺跡 小栗山堂平370m
上町遺跡 川口 330m
四十九院遺跡 横田 390m
寺岡遺跡 本名 370m
中ノ平遺跡 滝沢 350m
滝名子遺跡 滝沢 330m 
居平遺跡 滝沢 330m
稲場遺跡 越川 320m
中の沢遺跡 越川 320m
家向遺跡 大志 300m

●弥生時代の再葬墓遺跡 宮崎遺跡 中川 292m 昭和52年報告書刊行

■沼沢火山の調査研究 2003年 深部地質環境研究センター 山元孝広
約11万年前から火山活動(尻吹峠)、7万年前(木冷沢溶岩)、4.5万年前(水沼火砕堆積物))、4万年前(惣山)、2万年前(沼御前・前山)、紀元前3400年沼沢湖火砕堆積物。
 ※約5400年前に最後の噴火をした沼沢火山(沼沢湖はカルデラ湖)

■縄文時代 金山町を中心として見た場合
約1万5千年前(BC12,000) 御神楽岳の裏側の小瀬が沢洞窟遺跡(新潟県阿賀町)
約1万2千年前(BC10,000)   同     室谷洞窟遺跡 同
草創期
早期
前期   縄文海進 温暖化で関東地方は海
5400年前 沼沢火山の最後の爆発 只見川はせき止められ湖に
中期 石神平遺跡、寺岡遺跡など
後期
晩期

■約2400年前 弥生時代 
 2000年前頃    三島町宮下 荒屋敷遺跡など
         金山町中川 宮崎遺跡など 只見町窪田遺跡など

2007年9月6日木曜日

二百十日の「ヒロロ」採り






■2007年9月6日(木)台風9号が八丈島付近から関東地方に向かって北上しています。生業のかすみ草栽培のハウスを台風から守るためのハウス保守、スソに防風ネットを巻く作業がいそがしい。

■9月1日が二百十日(にひゃく・とおか)。この日以降は、野山の収穫がいそがしくなる。

■9月5日の午後に大沼郡三島町名入の三島町生活工芸館に電話をしました。今年の1月19日に志津倉山の北麓流域の地名をうかがった、間方の菅家藤一さんにまた合うための電話でした。6日の午前11時に訪問することでお願いしました。8月盆に出来た『会津学3号』をお渡ししました。

■都内の大学4年生のKさんも今回は同行する、ということで、宮下の奥会津書房に10時45分に行き、彼女を乗せて、生活工芸館に11時5分に到着しました。山びこ・どんぐり、、、の前には学生が多くいて都内の美術大学の木工の教室があったようでした。お話は30分聞いて、すぐ戻り、台風対策をしています。

■生活工芸館の玄関を入ると、同町役場の五十嵐政人さんがいたので、挨拶して、館内に入り、小柴君に菅家藤一さんの作業している場所に案内してもらいました。

■藤一さんは、事務所から抜ける外で、草の整理をしていました。今日は地名を聞くより、その作業のことを観察して聞こうと予定を変えて作業しているところを観察しながら、いくつかお話をうかがいました。

■藤一さんは言います。

「210日を過ぎたら、山の沢筋にて野草のヒロロを採る」
「昨日5人で340束近く採った」

■話を30分ほどうかがって、まずヒロロには2種類あることをはじめて知りました。
 通常210日頃の秋に採る通常のヒロロは「ホン・ヒロロ」。同じ草で違いがあるが6月中旬でも採れるヒロロがあり、それは「ウバ・ヒロロ」と呼ぶ、ことです。
 ホン・ヒロロは「ミヤマカンスゲ」のこと。
 ウバ・ヒロロと地元で呼ぶのは「オクノカンスゲ」のことだ、そうです。

 ヒロロは、ヒロウとも呼ぶことがあるそうです。

 いずれも見分けるのは素人では難しい、そうです。

 ヒロロは沢の中の日陰向きに自生している多年草植物で、引き抜いて収穫するのだそうですが、毎年収穫すると株が弱るので、採る間隔は1~2年あけたほうがよい、そうです。
 三島町間方では、ヒロロの山の口(収穫制限)は無いそうです。ただし、人による採り場はだいたい決まっていたそうです。

 ヒロロは引き抜き株を1枚ずつ葉をはがし「ねほぐし」という作業が、今日見た作業でした。それを束ね直して天日で2,3日干してから陰干しにして乾燥させます。根ほぐしをしないと、重なった部分が赤くなる(褐色になる)から、といいます。アオ(緑)が損なわれると価値が下がるのだそうです。

 昔は、210日に採ったヒロロを乾燥させ、それを素材として、雨蓑(あまみの)、しょいなわ(背負縄)、荷縄にした、といいます。

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■追記■

→→→→ミヤマカンスゲ
→→→→オクノカンスゲ