2007年9月6日木曜日

二百十日の「ヒロロ」採り






■2007年9月6日(木)台風9号が八丈島付近から関東地方に向かって北上しています。生業のかすみ草栽培のハウスを台風から守るためのハウス保守、スソに防風ネットを巻く作業がいそがしい。

■9月1日が二百十日(にひゃく・とおか)。この日以降は、野山の収穫がいそがしくなる。

■9月5日の午後に大沼郡三島町名入の三島町生活工芸館に電話をしました。今年の1月19日に志津倉山の北麓流域の地名をうかがった、間方の菅家藤一さんにまた合うための電話でした。6日の午前11時に訪問することでお願いしました。8月盆に出来た『会津学3号』をお渡ししました。

■都内の大学4年生のKさんも今回は同行する、ということで、宮下の奥会津書房に10時45分に行き、彼女を乗せて、生活工芸館に11時5分に到着しました。山びこ・どんぐり、、、の前には学生が多くいて都内の美術大学の木工の教室があったようでした。お話は30分聞いて、すぐ戻り、台風対策をしています。

■生活工芸館の玄関を入ると、同町役場の五十嵐政人さんがいたので、挨拶して、館内に入り、小柴君に菅家藤一さんの作業している場所に案内してもらいました。

■藤一さんは、事務所から抜ける外で、草の整理をしていました。今日は地名を聞くより、その作業のことを観察して聞こうと予定を変えて作業しているところを観察しながら、いくつかお話をうかがいました。

■藤一さんは言います。

「210日を過ぎたら、山の沢筋にて野草のヒロロを採る」
「昨日5人で340束近く採った」

■話を30分ほどうかがって、まずヒロロには2種類あることをはじめて知りました。
 通常210日頃の秋に採る通常のヒロロは「ホン・ヒロロ」。同じ草で違いがあるが6月中旬でも採れるヒロロがあり、それは「ウバ・ヒロロ」と呼ぶ、ことです。
 ホン・ヒロロは「ミヤマカンスゲ」のこと。
 ウバ・ヒロロと地元で呼ぶのは「オクノカンスゲ」のことだ、そうです。

 ヒロロは、ヒロウとも呼ぶことがあるそうです。

 いずれも見分けるのは素人では難しい、そうです。

 ヒロロは沢の中の日陰向きに自生している多年草植物で、引き抜いて収穫するのだそうですが、毎年収穫すると株が弱るので、採る間隔は1~2年あけたほうがよい、そうです。
 三島町間方では、ヒロロの山の口(収穫制限)は無いそうです。ただし、人による採り場はだいたい決まっていたそうです。

 ヒロロは引き抜き株を1枚ずつ葉をはがし「ねほぐし」という作業が、今日見た作業でした。それを束ね直して天日で2,3日干してから陰干しにして乾燥させます。根ほぐしをしないと、重なった部分が赤くなる(褐色になる)から、といいます。アオ(緑)が損なわれると価値が下がるのだそうです。

 昔は、210日に採ったヒロロを乾燥させ、それを素材として、雨蓑(あまみの)、しょいなわ(背負縄)、荷縄にした、といいます。

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■追記■

→→→→ミヤマカンスゲ
→→→→オクノカンスゲ

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